« 2月4日は”わけありライブ2!” | トップページ | 宅録の落とし穴。 »

2006年2月 7日

そうして”わけありライブ2”は始まった。

kabukicho1 人生には、時に、思いもよらない出来事が起きますが、でも、そんなときにこそ、自分の中に力が湧き、そして、たくさんの優しさにも出会える。先日のライムセカンドは、まさにそんなライブでした。

弾く予定だったアップライトピアノに、予期せぬ不具合を発見したのは、開場40分前のこと。いやはや全く、なんといっても、時間がありません!それはそれはもう、心臓がドキドキ、平静を装いつつも、心の中はかなりの動揺を見せました。

でも、落ち込んでる場合ではありません。ともかくも何とかしなくては!考えられる策は三つだけ。

アップライトの不具合をどうにか直す、お店にある61鍵のシンセで対応する、新たに88鍵の鍵盤を調達する。三つに一つです。

まずは、マスターにラジペンを借り、がむしゃらにピアノに頭を突っ込んで、ぐいぐいネジを回してみました。ぐいぐいぐい~っと!!今となっては余りに無謀、当たり前ですが、ピクリともしないまま、策1はあえなく玉砕。

次なる策は、61鍵のシンセ。これをアンプにつないで、これまた果敢に弾いてみましたが、なんとびっくり。驚くほど弾けません。左手は、もはや用をなさず(鍵盤足りないです)、だからと言って、その場でアレンジし直すなんて神業、私には到底できません。

ここらあたりで一時、弱気が頭をもたげますが、じっとはしていられず、市中の楽器店を当たることに。もしかしてレンタルできるかも、という一縷の望みを託し、歌舞伎町の繁華街を走ります。ピアノを貸してくれ~!!でも、これもあえなく玉砕。

もう、こうなったら覚悟を決めて、即席61鍵盤弾き語りをやるしかありません!なんとか自分を奮い立たせつつ、ライムセカンドへ戻りましたところ、いや~、神様はいましたです!

はいっ、そうです、なんとなんと、今すぐ貸してくれるレンタル楽器店がみつかったのであります。よかった~!

既に開場した店内にお客様を残したまま、私とマスターは、お店を飛び出し、代々木方面へと走りました。『卒業』のラストシーンさながら、マスターがちょっとだけダスティンホフマンにも見えたような。

あとは帰りのタクシーを捕まえるだけです。ケースに収めた、巨大88鍵電子ピアノ。案の定、嫌がる運転手を尻目に、有無を言わせずぐいぐいと車内にピアノを押し込んで、一路ライムセカンドへ!

ビルの下には、たくましき男性陣が待ち構えていて下さり、ピアノは無事、エレベータに乗って、お店のある3階へと運ばれて行き、私は階段を猛ダッシュでかけあがりました。ヘトヘトだ~~。でも、これで歌える~~。

お越し下さいましたお客様、お待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。無事開演できたときには、夢みたいでした。ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

即席のピアノセッティングは、期せずして、お客様に優しく囲まれる形となり、なんだかちょっと泣きそうでした。心落ち着かぬままの演奏にはなってしまいましたが、それでも、一生懸命聴いて下さるみなさん一人一人に、お礼の気持ちを一杯こめて歌いました。

いろんなことがあります。それも含めてのライブなのだと思います。たとえ歌えなくなったとしても、来てくださるお客様に対して最善を尽くす、それが一番大切なのではないかと、そんなことを思いました。

いや~、それにしても、本番前、ハードなウォーミングアップとなりました。音出し直前におにぎり食べといて、ホントよかった(*^0^*)ノ。

☆では、曲目を。
♪ 海よ
♪ ひとり言
♪ Karappo
♪ 杏
♪ 辿り着きたい場所
♪ ふるる(カバー:レイチ&まりた)

|

« 2月4日は”わけありライブ2!” | トップページ | 宅録の落とし穴。 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: そうして”わけありライブ2”は始まった。:

« 2月4日は”わけありライブ2!” | トップページ | 宅録の落とし穴。 »