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2006年3月10日

『病牀六尺』

”悟りと言ふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りと言ふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった”

正岡子規『病牀六尺(6月2日)』より。

正岡子規は、36歳でこの世を去るまでの最後の2年、病床にあって、随筆日記『病牀六尺』を記しています。内容は、食べたもの、読んだもの、庭に咲いた草花のこと、美術寸評、俳句寸評、時事問題、多岐にわたりますが、いずれも、己の目に映る日常を、極めて率直に、そして平易に綴っています。

自分の置かれた状況、病の苦痛、生活上生じる、さまざまな重い障害。そうしたものを全て受け入れながらも、最後まで創造への意欲を欠かず、強健な精神力で、自身をみつめ、そして書き続けている。

”そろ行こ!”主催、ベアさんの綴られた闘病日記から、私は、この『病牀六尺』と同じような印象を受けました。

生きることへの強い意志・意欲、自分をみつめる冷静さ・潔さ、そして尽きることのない好奇心。1月半ばで、その日記も更新が滞り、どうされているのかな、と案じていたところへの訃報でした。

ベアさん。旅立たれた先では、どうぞしばらく、ゆっくり休んで下さい。そして、のんびりと過ごされて下さい。今はいろいろお疲れのことと思います。

春の日の雨しき降ればガラス戸の
曇りて見えぬ山吹の花

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

☆ベアさんは、”アマチュアミュージシャンに演奏の場を”、という趣旨のもと、定期ミニライブ 『そろ行こ!』を立ち上げた、前主催者でいらっしゃいます。一年ほど前から《筋萎縮性側索硬化症(ALS)》で病に臥されていましたが、過日永眠されました。『そろ行こ!』は現在も ベアさんから引き継がれた、internetフォーク喫茶eyeさん主催のもと、毎月第2土曜日Jazz喫茶「橋の下」で開催されています。

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