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2006年9月12日

ウグイスとメジロ。

昨日に続いて、野鳥の話を少々。

ウグイスとメジロ。

この二つの鳥、日常生活において、おそらく色々な場面で、混乱して用いられたり、区別をつけずに用いられていることが多いのではないかと思います。Mejiro3_1

何を隠そう、かく言う私も、結構いい大人になるまで、メジロのことをずっとウグイスだと信じていましたから^^;。 (写真上:メジロ、下:ウグイス いずれも転写可のHPからお借りしました)

確か、幼い頃読んだ絵本にも、ウグイスと称して、あの茶色がかった黄緑色の、”正しくはメジロ”と思しき鳥が描かれていた記憶があるし、よく、薬局の店頭なんかで、ホーホケキョと鳴いていた置きものも(あれは何だったの?)、やっぱり、メジロと思しき鳥だったような気がするし、そんなこんなで、私の中のウグイスは、いつしか、メジロに取って代わり、そのまま定着してしまっていたようです。Uguisu_1

で、野鳥に興味を持つようになって、初めて、自分がウグイスだと信じて疑わなかった鳥が、実はメジロである、ということを知ったわけです。あぁ、恥ずかしや。

で、思うに、その混乱を招いた原因の一つとして、”鶯色”というものの存在が、大きく関連しているのはないかと考えます。

現在、一般的に”鶯色”、という時には、所謂、メジロの色を差す場合がほとんどで、それが更に発展して、”うぐいす豆”とか、”うぐいす餅”とか、いっそう黄緑の鮮やかな、”春を象徴する色”として、用いられることもあるくらいです。

でも・・・・・本当の鶯は・・・。

写真の通り、所謂”鶯色”はしておらず、もっと茶色の強い、メジロとは全く異なる色をした、別の鳥なのであります。

では、鶯色って、そもそも一体どこから来たものなの?

ということで、いろいろ調べてみました。で、わかったことは、やっぱり、鶯色は、ちゃんと鶯から来ているのであります。

江戸時代、茶色が全盛を迎えていた当時、流行っていた色の一つで、今よりもずっと身近に飼われていた鶯を、人々は間近に観察し、そして、その色を好んで使ったそうなのです。

そして、現在でも、工業規格できちんと定義され、染色業界でも使われている正しい”鶯色”は、紛れもなく当時のまま、もともとの”鶯色”であって、現在では、わかり易くするために、”鶯茶”、として区別されることもあCol129_1る、写真のような色なのです。(きものくらぶ 色の広場 日本の色 より)

つまりは、現在一般的に使われるようになった”鶯色”が、本来の色からみれば間違っているわけで、それこそが、正しくは、”メジロ色”、と言うべき色、ということになるわけです。

ふ~うっ。どうかな~。上手く説明できたかな~。

まぁ、そうは言いましても、普段の生活においては、これからも、”ウグイス餅”は、”メジロ色”であり続けるわけで、そのおいしさは、少しも変らないわけで(^m^)、何一つ困ることはないのですが、せっかく、野鳥好きを通して、知り得た情報なので、ちょっと書いてみたくなりました。

勢い、季節はずれの、”春告げ鳥”の話題を持ち出すことになってしまいましたが、外では、今宵も鈴虫が、リンリンと鳴いております。

四季は巡りて、秋深し、ですね。

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