母のことを、少々。
昨年秋ごろから、実家の母が、いささか体調を崩しています。
そのため、時間をみつけては、なるべく信州に帰るようにしています。
と言っても、命にかかわるような、急を要する病気、ということではなく、精神的に少々落ち着かない状態にある、といった感じです。
詳しい事情は省略しますが、母は現在、両耳ともに、著しく聴力が低下しており、それに加えて、重度の耳鳴り(正確には、頭鳴症といいます)に見舞われているため、日常生活に支障が生じてきています。
端的に言えば、一人暮らしをしているために、外界との接触が困難な状況に面しています。
外出・買い物はおろか、電話もだめ、テレビもだめ、音楽もだめ。
こんな状況で、一人家に篭っていると、この先どうなるのかと、母自身、一時期、かなりのストレスを抱えてしまい、私たち家族も随分心配しました。
もちろん病院にも通い、それなりの治療を受けましたが、最終的な診断としては、”治る事はありませんので、少しずつ慣れて行って下さい”というもので、それがまた母を追い詰めることにもなりました。
ただ、母は、もともとが楽天的な性格であることと、足腰や内臓はまだまだ丈夫なため、そうなったからと言って、すぐに、私や姉と一緒に暮らす、ということにはそれなりに抵抗があるようで、何より、父の残した今の家を離れることにも、なかなか決心がつかないようなのです。
ということで、あれこれ、私たちを心配させている母ではありますが、補聴器や、行政の力を借りて、今しばらくは、なんとか一人で頑張ると言っています。
親も年を取れば、いつまでも元気ではいませんが、それでも、子供として望むことは、最後まで、少しでも、安心で、楽しい暮らしを保ってほしい、ただそれだけですよね。
ところで。
電話が使えない今、離れて暮らしている私にとって、母との、唯一のコミュニケーションツールは、携帯のメールです。
いまさらながら、文明の利器(?)が、これほど役に立つとは思ってもいませんでした。
以前から、母に携帯の使い方を特訓しておいて、本当に良かったと思います。
さっきも、”今日は、少し頭鳴が落ち着いて、体調もいい”、とメールが届きました。
これだけで、私自身、心が随分落ち着きます。
ライブが終わって、一息ついたら、またちょっと顔を見に帰ろうと思っています。
帰ったときは、ひたすら筆談のため(私は書いて、母は喋る、というおかしな関係)、専用のホワイトボードも買い込みました^^。
筆談しながらも、ときどきケンカもします(笑)。
それもまた、適度な刺激になるかなと考えて、この際、速記術の腕に、さらなる磨きをかけようと、密かにたくらんでいる、私なのであります。
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