平常心。
それにしても、うちの夫の行動は、なかなかもって不思議です。
しばらく留守にして戻ると、家の中の景色が変っているのはいつもの事ながら、今回もまた、”何ゆえに、こんなところにこんなものが”、”どうやったら、これが、こんな形に?!”といった事態が、各所に発生していて、私は、今日も一日、頭(首?)をひねりながら、片付けに奮闘いたしました。
さて、その帰省の往復、車中で読んだ久石譲氏著の『感動をつくれますか?』(角川書店)。
この本、今の私にとっては、実に興味深い内容ばかりで、気づけば、車窓の景色を眺めることも忘れて、夢中で読んでしまいました。
久石さんの音楽は、おそらく、誰しも、それと気づかぬうちに、一度は耳にし、心に残っているものが多いのではないかと思うのですが、では、そうした素晴らしい作品は、一体どこから、どのようにして生まれてくるのか。
「創造力とは」「感性とは」
この本を読んで、感じたこと、考えたことは、本当にたくさんあります。
また、読み進めるうちに、厚かましくもずうずうしくも、プロ作曲家・久石譲に自分を重ね合わせては、なるほどなるほど、やっぱりそうか・・・、などと、ふと、自分の考えていることを改めて確認したりする場面もいくつかありました。
そしておそらく・・・。
それこそが、久石さんの凄さなのではないでしょうか。
久石さんは、自身も、著書の中で、たくさんのページを割いて書いているように、芸術家ではなく作曲家、つまりは、プロフェッショナルとして、音楽に携わっているわけです。
では、プロとは何か。
久石さんの言葉を借りるなら、『優れたプロとは、継続して自分の表現をしていける人』、『一流とは、ハイレベルの力を、毎回発揮できること』であって、たった一回、がんばったら、偶然にも凄い作品が生まれた!ということでは、仕事にならないのです。
そして、そうしたプロを、真のプロ足らしめる何かがあるとしたら、それは、一つ『平常心』ということがあげられるのではないかと、私は思いました。
どんな大作に取り組んでも、どんなプレッシャーの中で仕事をすることになっても、常に自分の足元を見失わず、”普通”の感覚を保ち続けることが出来る強さと冷静さ。
それまで自分が経験してきたさまざまな知識や事柄、出会った音楽。
そうした事実に裏打ちされた理論で土台を支えてこそ、本当の意味での、オリジナリティーを生み出し続けることができる。
そうした、真のプロである、久石さんだからこそ、自身の語る音楽への姿勢が、私のような人間が読んでもなお、ふと、自分と重なって見える瞬間を与えてくれる。
実際には、到底辿り着けない距離を隔てているにも拘わらず、手が届きそうな心持にさせてくれる度量と自信、それこそが、真のプロの条件と言えるのかもしれません。
だから、この本を読んだ後の私は、ただもう単純に、”もっともっと頑張って、今やっている、自分の音楽への思いを貫き続けよう”と、そういう気持ちになりました。
迷うことも、悩むこともたくさんあるけれど、自分を見失わずに進んでいけば、自分のやりたい音楽はどこかで待っていてくれる、そんな気持ちになりました。
さてさて、今日は楽しい金曜日。
なのに、これまたいつもの事ながら、夫はいまだ帰らずに、私は、お腹をすかせて、しょんぼりしています(・・、)。
ってことで、もう先に飲んで?食べて、楽しくなっちゃうよ~。
どうぞ良い週末を♪
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