MA・GO・KO・RO
何年経っても色褪せない。
歌う度に新しい。
そんな歌は、一体どんな歌だろう。
色鮮やかな恋の歌、涙こぼれる悲しみの歌。
誰もが自ずと感じ得る、誰もが心を寄せられる、普遍性を持ち合わせた詞とメロディー。
描かれる情景は、やがて溶け出し、日常から非日常へと、ゆらゆら揺れて、行ったり来たり。
紡がれる感情は、言葉の糸を、手繰ってみたり、放してみたり。
でも。
それだけじゃ、きっとダメで、それだけじゃ、何かが足りない。
誰にも真似のできない、その人だけが与えられる、感性の一滴。
その一滴が落とされて、初めて求める歌になる。
感性は、その人自身の生き方、有り方、歩き方。
作ることも、歌うことも、聴くことも、歌は皆、人の営み。
人が粗末であったなら、生まれる歌も、きっとぞんざいになる。
人に魅力がなかったら、生まれる歌も、きっといつか飽きられる。
何年経っても色褪せない。
歌う度に新しい。
そういう歌は、感受性と言う名の”真心”を知る、そういう人だけが歌えるものなんだと思う。
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