安くてよい酒。
『大酒はもとより大毒。のまずにすむなら酒はのまぬが善。もしのむなら 安くて悪い酒は禁物。高くても良い酒は結構なれど、安くても良い酒は尚お結構でございます。岩代の田舎酒 この花霞は どんなに信用されてもよいほど醇良で 価もまず安い方。風味は人のすきずきながら 古雅で精妙で灘とは又違って趣が深いという評判でございます。高くてわるい酒に悩まされている方には このお酒をおすすめいたします。
花霞分譲会
一合二十銭 一升二円』
これは大正12年、駒込にあった高村光太郎のアトリエで作られた、銘酒「花霞」の引札(ちらし)の文面(光太郎自作木版)。
智恵子の実家は、福島県は安達にある造り酒屋で、そこで作られていた地酒が「花霞」。
智恵子と光太郎は、これを東京でも量り売り、少しでも暮らしの足しにしようと、先の引札を作って、アトリエでの販売を試みたらしいのですが、商才のない二人のあてははずれ、全く売れなかったとか。
週末は、所用を兼ね、以前住んでいたことのある、その福島県を訪れました。
両日とも天気に恵まれ、とても気持ちのいい時間を過ごすことができました。
福島の自然はおおらかです。
信州の土地が、険しい山に囲まれて、濃い陰影を持つとするならば、福島の土地はそれとは対照的に、なだらかな丘陵や、平地を遠く見渡すことができ、眺めていると、心がどんどん引っ張られて、広がって、どんなことでも受け止められそうな気がしてきます。
今回も、ついつい眺めてばかりで、写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。
でも、銘酒「花霞」は、忘れず、ばっちり買って参りました^-^。
たった2年とは言え、暮らした街を訪れると、やっぱりどこか懐かしく、行きたいところもたくさんあって、改めて、私はこの土地と、その暮らしが好きだったんだな、と実感しました。
さぁ、今日からまた一週間、元気にがんばります!
今週もやりたいことが盛りだくさん。
できるかな~。
いやいや、やるしかないのであります。
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