スタバなんか怖くない。
その昔、かわいい振り付きで、石野真子が歌っていましたね、”狼なんか怖くない♪”。
私も、当時、随分憧れました(笑)。
タイトルは、それとはもちろん関係ないもので、とある新聞コラムの見出しです。
オーストリアのウィーンといえば、オペラ座前にある、”カフェ・ザッハー”はとても有名で、いつもたくさんの人でにぎわっていますが、そんなオーストリアに進出したスターバックスが、老舗カフェの前に、苦戦を強いられている、というお話。
老舗カフェの根強い人気と実力に押されて、進出当時、ひと月に1店舗、5年で60店舗を予定していた計画も大幅縮小を余儀なくされ、実際には、5分の1以下の、11店にとどまるらしいのです。
オーストリアにコーヒーが伝わったのは、17世紀も終わりのこと。
オスマン帝国侵略の際に持ち込まれたとされていますが、その歴史の古さに加えて、この地にコーヒー文化を生み、深く根ざした秘密の鍵は、『豪華なシャンデリア』『ビリヤード台』『新聞』の三つにあるのだそうです。
コーヒーハウスでまずは運ばれてくる、銀の盆に乗ったコップ一杯の水。
この水を入れ替えることで、店は”何時間でもどうぞ”という姿勢を示し、客は、まさに”何時間も座り、議論し、書き物をし、無数の新聞、雑誌を気の済むまで読みふける”。
シャンデリアの光が鏡に反射し、陰影を醸し出す内装は、華やかだけどくつろげる、『第二の居間』。
そして、忘れてならないカフェの名脇役がウエーターで、その、誇り高き姿は、時に近寄りがたいものであっても、客を深く知り、目から要望を読み取る熟練は、まさにプロフェショナル。
常連の客においては ”皇帝””公爵”と、称号で呼び、”指定席”へとそつなく導き、好みのコーヒーと新聞を運ぶのだそうです。
現在、世界で発行されている中で、最も古い新聞「ウインナ・ツァイトング」紙の創刊号(1703年)によれば、当時、新聞の値段は、コーヒー一杯の倍以上もしたらしく、200を超す、世界の新聞が読み放題だったウィーンのカフェは、それだけで、知識人たちには、魅力の場所だったのですね。
オーストリアにあって、コーヒーハウスとは、まさに「大人の城」。
落ち着いて意見交換できる場所であることは、時代が変わっても、決して揺らぐことなく、若者に人気の新興勢力の前にも、まだまだ十分生き永らえる、誇りと歴史を持った、文化の一つと言えるのですね。
私もコーヒーは大好き。
梅雨明け以来、ついつい、冷たいものばかり飲んだり食べたりで、やせっぽちモードに拍車のかかりつつある今日この頃ですが、大好きなコーヒーだけは、どんなに気候が暑くとも、どんなにセミがけたたましくとも、ホットで飲むのが、やっぱり一番。
コーヒーの持つ不思議な高揚感と安堵感は、私の中でも、年々深みを増しているようで、今後ますます大人になっていくだろう?私にとって、欠かすことのできない嗜好品の一つであり続けることと思います。
あぁ~、おいしいコーヒーが飲みたくなった!
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