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2007年11月12日

アンサンブルを彫る。

先週半ばにさかたさんと、昨日は岩橋さんと、お忙しい中時間を頂き、録音とライブを兼ねた音あわせをしました。

今回また、それぞれお二方とじっくり膝を突き合わせ、がっちり格闘?することで、アンサンブルの持つパワーって、本当にすごいな、と実感しました。

これは、以前から漠然と思っていたことなのですが、”音楽で何かを表現する”って、木や石の中に、予め埋められ隠された何かを、ノミを使って、少しずつ少しずつ彫り出していく作業に、とても似ているような気がします。

よく、仏像を彫るとき、そこには既に彫られるべき形がはっきりと見えていて、彫る人はただそれにしたがってノミを動かすだけ、というような話を聞きますが、曲を作り上げていく作業は、それにとても近い感覚なのではないかと思うのです。

私の場合、もちろん、”ただノミを動かすだけ”、というわけにはいかず、毎回、悪戦苦闘・七転八倒しますが、いよいよ曲が完成するときには、ようやく出会えたか・・というような、実はずっと前から知っていたような、ちょっと懐かしいような、そんな不思議な気持ちになることがあります。

何かを表現したいと思った瞬間、誰にも彫り出したい形は生まれていて、あとは、自分なりに、いろんな方向からノミをあてて、”立体としての表現物”を探り出して行く。

時には削りすぎて駄目にしてしまったり、途中で割れてしまって、嫌になったり。

そしてそれは、アンサンブルも同じで、自分の歌とピアノに絡んで欲しい楽器の音やフレーズは、既にきっちり木や石の中に潜んでいて、試行錯誤を繰り返すうち、それをぴたりと探り当てた瞬間、スパーン!と音を立てて、何かが生まれてくる。

その瞬間、多分私は、言葉では表しがたき、”一種の興奮状態”に陥っているのではないかと思います。

そこに至るまで、時間がかかればかかるほど、苦しければ苦しいほど、見つけられたときの喜びもまた大きく、ピアノも歌も、一人で歌っているときには決して得られない、高揚感と充足感に包まれる。

アンサンブルって、本当に難しいけど、そうして彫り出される形は、一人の時とは、また全然違った豊かさ、奥深さがあって、だからこそ、楽しいし止められない。

そういうものなんじゃないかと思うのです。

・・・ということで、さかたさんも岩橋さんも、今しばらく、私があてずっぽうに振り回す、大小さまざまな(キョウフノ)ノミを、どうぞ恐れずひるまず、諸手でがっちり受け止めて下さいませ。

流血の折は、私、手厚く介抱いたしますゆえ(それが一番怖かったりして)、くれぐれもご心配なきよう・・・・♪

よろしくお願いいたします。

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