音蔵定期ライブ報告。
以前、ジャズシンガーの綾戸智絵さんが、どこかに書いていました。
歌というものは、送り手側に、いくら立派な人生観があってもだめ。
”聴く人”の中に”人生観”があってなんぼのもの。
だからこそ、聴いて貰えること、そこから何かを受け取ってもらえることは、とてもありがたいことなのだ、と。
先日の音蔵定期ライブは、そういう意味において、とても貴重な時間だったのではないかと思います。
観る側・演る側。
その両者が、お互い気持ちのいいバランスで開き合うこと。
それは、とても難しいこと。
意識すれば必ずできるというものでもなく、いろいろな偶然、必然が重なって、まさにその一瞬、”そのときだからこそ成り立つ”、とてもデリケートな出会い。
私は、いつものことながら、幕開けに、極度に緊張してしまい(><)、一曲目は、ピアノを弾く手が震えてしまいました。
このままで行くのは嫌だな~。
そう思いながら一息ついて、2曲目に入るとき、何かがふっと、ふっきれました。
その日、その時、その場の空気が、見えない力を与えてくれたような。
それは、言葉では表せない何かで、おそらく、そこにいたみんなが、とても自然な形で、心を開き、身体を緩め、聴く準備をしてくれたのではないかと思います。
演じる側の伝えたいこと。
それが、ライブの場で、そのまま聴き手に届くことは、ほとんどの場合、有り得ませんし、また、その必要もないと感じます。
私の歌う”詞の一つ一つ”、”フレーズの一つ一つ”、それら全部を、事細かに聴いてもらう必要は全くなくて、私の声やピアノが鳴っている中、それぞれが、それぞれの心の中に、何かしらの気持ちを抱いて、自分の”人生観”と、わずかでも重ね合わせてくれたなら。
それが一番うれしいのです。
私が歌いたい気持ちの原動力は、間違いなく、そこにあるんじゃないかと思うのです。
聴くことと、演じること。
そうした、とてもシンプルな二つの出会い。
それを限りなくわかりやすい形で見せてくれる。
それがライブスペース『音蔵』、という空間なのではないかと思いました。
私にとっての最後の定期ライブとなりましたが、いろいろな意味で、今後につながる、たくさんの力をもらえたように思います。
本当にありがとうございました。
曲目です。
♪朝焼けの街
♪雨上がり
♪Karappo (ギターサポート 岩橋信之)
♪横顔 (ギター 岩橋信之)
♪追憶 (New)
♪クリスマスの唄
♪夕暮れ
写真はGan☆さんより。ありがとうございました。
なんだか吹き出しつけて、会話を入れたい感じですね(笑)。
岩『シンドウさん、またまた髪の毛切り過ぎましたね~。』
シ『岩橋さんこそ、いつにも増してお肌つやつや、その秘訣は~?』
・・・なんて会話は、もちろんしておりませんです、はい。
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