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2008年10月 6日

ぶどうの季節。

週末、遅まきながら、この秋初物のぶどうを食べました。

最近は、種類が本当に豊富になり、食べやすさに重点を置いているのか、どれも粒が大きくなっているようですね。

昔ながらのデラウェアは、隅の方にちょっとだけ、なんてお店も少なくありません。

ぶどうというと、思い出すのは、映画『稲妻』のワンシーン。

主演の”高峰秀子”は、目下私の最も旬なアイドルで(^-^;)、時間をみつけては、少しずつ往年の作品を観ていますが、中でもこの『稲妻(成瀬巳喜男監督)』は、とても好きです。

林芙美子原作小説の映画化で、女性の自立を描いた作品なのですが、高峰さん演ずるバスガイド役の清子が、なんとも小気味良くすがすがしく、そのたくましさと美しさに、思わず惚れてしまいそうです。

浦辺粂子演ずる母親と、父の異なる3人の兄姉。

複雑な家庭環境、身内の醜態に嫌気が差し、やがて一人下宿を借りて家を出る末娘、というストーリーなのですが、ある日、母と、自分の今後について庭で話をする場面で、清子がぶどうを食べる。

そのシーンがとてもかっこいいのです。

一粒ずつ口に入れては、”酸っぱいっ!”と顔をしかめながら、皮と種を手のひらにプップッと吐き出し、それをひとつずつポーンと庭に向かって放り投げる・・・。

たったそれだけのなんでもない仕草なのですが、これが実に粋でテンポがよく、清子の人間性を上手に描いたワンシーンのように、私には感じられました。

自立を始めた下宿。Photo

その隣に住む、国宗周三(根上淳)とその妹つぼみ(香川京子)。

この二人との交流で、清子の心はだんだんと安らいでいくのですが、この兄妹が、これまたとてつもなく美しい~!

両親を亡くしながらも、清くつつましく支え合う兄と妹。

ピアニスト志望の妹のため、練習時間を惜しんで、家事一切を自ら進んで引き受ける兄。

あまりの美しさに、つっこみどころがみつからない~!

高峰さんは、現在84歳。

映画監督・脚本家のご主人松山善三氏と二人暮らしのご健在。

50歳で現役を引退して以来、ほとんどマスコミには姿を現さない高峰さんですが、素晴らしいエッセイもたくさん書いており、その波乱万丈な人生は、とても興味深いものがあります。

ちなみに、フルムーンのCMで、上原謙氏と共演し、ナイスバディーで話題を呼んだのは高峰三枝子さん。

名前は似ているものの、個性は随分異なる二人ですね。

私も最初、”稲妻”の高峰さんと、”湯船に浸かった”高峰さんが、どうしても繋がらなくて混乱しましたが(汗)、別人と分かってほっとしました。

このほか『乱れる』という作品の高峰秀子さんもとても素晴らしく、銀山温泉を舞台にしたラストシーンは衝撃的です。

お時間ありましたら、是非、ぶどうを片手にご覧になってくださいね。

また一週間、元気に過ごしましょう~!

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