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2009年5月11日

体得。

バレエダンサーの熊川哲也さんが、『舞台に上がるとき、音楽を聴いて踊っているようじゃ、とても人様に見せられるものにはならない・・・』というようなことを言っていました。

すなわち、頭で考えているようじゃ、お客さまの前で踊る意味がない。

自分を引き合いに出すのは、あまりにも僭越ですが、しかしながらこの感覚。

私なりに、私なりの経験の中で、理解できるところがあります。

弾き語りをするときも同じ。

自分のピアノや、その他の楽器を、耳で、頭で聴いていると、歌は全くおろそかになってゆき、普段できていることが、たちまちできなくなってしまいます。

初めてギターと音あわせをするとき。

歌いながら、ギターとアンサンブルを作って行くとき。

当然と言えば当然なのですが、”頭で考えながら歌う”、ということは、やってみるととても難しい。

では、”考えないで歌う”というのはどういうことか。

おそらく、それが”体得・・”ということになるのでしょうが、この答え。

本当は、もっとずっと難しくて、奥深くて、はっきりとは見つからないもののような気がします。

使わない・・・と言っても、実際には使っているのだろう頭。

聴いていない・・と言っても、実際には、聴いているだろう耳。

使っていながら、使っていることを意識せず、聴いていながら、聴いていることを意識しない頭と耳。

それは一体どういう状態か。

わからないから、知りたい。

知りたいから、惹かれていく。

そうした謎が、全てわかってしまったら、【ライブ(音楽に限らず)】という【生身を晒しての表現そのもの】が、演じる側にとっても、観る側にとっても、あるいはつまらないものになってしまうのかもしれませんね。

昨日の音あわせで、たまたま ”音を聴いてしまっている自分”というものを、強く意識したばかりだったので、ちょっと書いてみたくなりました。

いずれにしても、熊川さん・・・カッコイイな~(^-^*)

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