たたむ。
『日本人は、何かをしまうとき、当たり前のようにそれらをたたむ。この「たたむ」という行為、実はとても日本的なもの。』
・・・なのだそうです。
例えば、贈り物などの包装紙。
アメリカ映画では、よく”ホームパーティーや、家族の誕生パーティーなどで、プレゼントを受け取った人が、受け取るや否や、贈った人を目の前に、びりびりと包装紙を破って開ける・・”
・・というシーンを目にしますが、日本人の私としては、その度に、”もうちょっとなんとかいう開け方はないものかしら・・・・”と、ハラハラしてしまいます。
でも、アメリカでは、これは極めて普通のこと。
包装紙は、破って開けて、丸めてぽい。
日本でも、最近は、そうした傾向がだんだんと強くなっていることは否めませんが、その昔は、包装紙もきちんとたたんでしまっておく・・・という家庭が多かったですよね(贈ってくれた方の気持ちも一緒に・・・)。
そうした違いは、衣類、特に着物の仕舞い方にもあるらしく、
「欧米の美術館では、日本の着物を所蔵していても、たたみ方がわからない。そこで、着物は、たたまず伸ばしたまま保管する」(東京国立博物館学芸員談)
・・・のだとか。
日本では、着物には着物のたたみ方があって、正しい折り目をつけて保管する方が、変なところにシワができなくて合理的、と考える。
これぞまさしく「折り目正しい」たたみ方・・・なわけです。
また、日本人にとって、この「たたむ」という所作には、”何がしかの行為を終える”、という意味合いもあるようで、それは昨今のハイテク機器にも、特徴として現れているらしく、携帯電話の折りたたみ型や、ノート型パソコンの普及率は、世界的に見ても、日本が際立っているのだそうです。
パチンとたたんで、一区切り。
「店をたたむ」なんて言い方もありますね。
では、なぜ日本の生活に、こうした”たたむ文化”が生まれたのか・・・。
そこには、「季節の変化」と「座る生活」、という大きな二つの理由があるようです。
湿度の高い夏から、乾燥した冬まで。
昔から日本では、そうした気候の移り変わりに合わせて、何度と無く、衣類や家具・調度を取り替えていたことから、使わないものを仕舞うとき、小さくする必要に迫られた。
そこから、”たたむ”という行為が暮らしに根付いて行ったのではないか・・。
また、欧米の椅子に座る”立体的”な暮らしに対し、畳の上で暮らす”平面的”な生活。
その平面構成に、柔軟に対応できるよう、たたんでしまえる着物や布団が生まれたのではないか・・
そのように推察されているのだそうです。
なるほど~。
”たたむ”という、何気ない行為にも、辿ればそんな背景や意味合いがあったのですね~。
ふむふむ。
そこで思い出すのは、”女性雑誌の収納特集”。
タオル・Tシャツ・Yシャツ・靴下・・
あんなものやこんなものまで、事細かに、さまざまな”たたみ方”が紹介され、何度もテーマに取り上げられるのは、やっぱり日本人が”たたむ”ことを好むから、そこに需要があるからなのでしょうね。
いずれにしても、”たたむ”という行為の向こう側には、心が落ち着いたり、気持ちがすっきりしたり、そうした効果があることは間違いない。
だからかどうかはわかりませんが、私自身、実は”洗濯物をたたむ”のが、家事の中で一番好き!
・・がしかし。
干すことは、逆に一番億劫!
”洗濯ばさみ”に一つ一つ挟む手間が、なんともじれったいのであります
今週もまた、元気に過ごしましょう~♪
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