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2011年4月22日

桜。

東北でも、いよいよ満開を迎えようとしているのですね。

宮城県の名取市閖上(ゆりあげ)地区にある、日和山という小さな丘の上、”がれきになぎ倒された桜の木が、根元から横倒しになりながらも、蕾をたくさん開いている”、というニュースを見ました。

この地区は、津波により建物の9割が流されたという、被害の大きかった地域の一つ。

住民のみなさんの強い要望で、自衛隊の方が、この、横倒しになった桜の木をそのままに、丘の上に残して下さったのだそうです。

その倒木の横には、”閖上桜”と名づけられた、小さな桜の苗木も植えられていました。

また、岩手県陸前高田市の成田山金剛寺では、被災された77歳の男性が発起人となって、花見の会が模様されたとのこと。

この男性もまた、消防団員だったご長男を亡くされていて、”避難の呼びかけを続けながら、最後は目の前で津波にのまれていった・・・”と、そのときの様子を気丈に語っておられました。

でも。

桜がこうして咲いている姿を見て、自分も”負けてられねぇ”と強く思ったのだそうです。

日本人にとっての”桜”。

止まっていた時間の中にも、静かに訪れる再会。

ただ、毎年この季節になると咲く花、というだけではない、何か特別な力を持った、特別な存在なのですよね。

ご自身も、阪神大震災を経験されたという、作家の黒川博行さんが、

『被災地で、もっとも強い精神力と底力を発揮するのは、救援の自衛隊でもなく、ボランティアでもなく、被災者だ』

・・とどこかの記事で書かれていましたが、”諦めない、日本人のひたむきな強さとその意志”を、東北の桜の開花とともに、今、実感しています。

東京では、ここ2~3日で、ハナミズキが、紅白一気に、色を増しました。

瓦礫の撤去にも、現地の炊き出しにも出向くことができず、ただ遠くから見ているだけの自分の放つ言葉は、どんなに思いを込めようとも、どこか”他人事”。

そう聞こえてしまうかもしれませんが、まずは、日々の暮らしを大切に、この震災と、これからもしっかり向き合って行こうと思います。

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